神奈川県鎌倉市。鎌倉五山にふさわしい大伽藍を擁していた浄妙寺も、鎌倉の他の寺院と同じく衰退を経て今に至ります。禅寺としての風景、足利直義の墓と、いにしえの鎌倉を伝えています。
浄妙寺の所在地・交通
鎌倉駅から鎌倉霊園、金沢八景方面へのバスで15分ほど。自転車なら鶴岡八幡宮から東へ、金沢街道を10分強。
杉本寺、報国寺、浄妙寺はさほど離れておらず、杉本寺から順にのんびり散策でもよろしいと思います。
浄妙寺の御縁起
- 浄妙寺はもともと密教系寺院として文治4年(1188)、足利義兼によって極楽寺という名で創建されました。足利義兼は源頼朝の忠臣。
- 山号は稲荷山(とうかさん)。いなりと書いて「とうか」。
- 開山は退耕行勇。真言密教を学んだ高僧です。
- その後、建長寺の開山でもある蘭渓道隆の弟子月峯了然(げっぽうりょうねん)によって禅寺に改宗、名も浄妙寺となりました。
- 中興の祖は足利尊氏の父、足利貞氏。報国寺の開基、足利家時の子でもあります。
- 至徳3年(1386)、足利義満によって定められた鎌倉五山の第五位として七堂伽藍を備え、塔頭は二十三院を数えましたが、その後火災などにより衰退し、現在は総門、本堂、客殿、庫裡などがあります。
- 境内奥にはレストランの石窯ガーデンテラス、そして足利直義の墓があります。
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